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神奈川 大矢孝酒造さん蔵元訪問記

2016/11/07
前回ご紹介しました「昇竜蓬莱(しょうりゅうほうらい)」の蔵元訪問記です☆

10月某日、「昇竜蓬莱」「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」蔵元の
大矢孝酒造さんへ訪問してきました。
神奈川県の小田急電鉄本厚木駅からバスで40分、
最寄りのバス亭からは歩いてすぐの場所に大矢孝酒造さんはありました。

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正面奥に見えます大きなヒノキ(だったかな?ちょっと失念)は樹齢約400年ほど、
蔵元のご先祖様がこの土地に移ったころに植えたという歴史のある蔵元です。


訪問した時は既に蔵も造りが始まっており、数名の蔵人さん達が洗米の作業を行っておりました。
そんなお忙しい中、代表取締役で八代目蔵元の大矢竣介さん直々にご対応頂きました。

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樹齢400年の前で記念撮影、幹の太さが凄いです。


現在八代目蔵元として酒造りに励んでおられる大矢さんですが蔵に入られた時には、
先代の杜氏さんや昔から蔵人として来られていた人達とでお酒を造られていたそうです。

それから大矢さんが主導して酒造りに行っていくうちに世代交代も進み、
現在では蔵人のほとんどは40歳未満の方ばかりだそうです。
酒造りの現場も元気の良いキビキビとしたものでした。


「昇龍蓬莱」と「残草蓬莱」の二銘柄を造られていますが、
元々あった銘柄は「残草蓬莱」の方でした。
「残草(ざるそう)」はこちらの屋号で地名にもなったもので、
「蓬莱」は蔵の裏手にある山が中国の蓬莱山に似ていることから取られたそうです。

そこに大矢さんが新たに「昇龍蓬莱」の銘柄を作られました。
ご自身が辰年生まれなど、龍に色々とご縁があったことから「昇龍蓬莱」と名付けられたそうです。


八代目と歴史のある蔵の蔵元ですが、
大矢さんご本人は理系人間で柔軟な発想をされる方という印象を受けました。
酒造りの現場でも必要なことは手を抜かず、
しかし合理化出来ることは行うという姿勢を感じました。
歴史のある蔵元という面と合理的でシステマティックな面とを併せ持つ蔵元でした。

大矢さんが40歳、蔵人さんの殆どがそれより年下と
酒造りの現場のなかではまだまだ若いと言える環境です。
それが長い歴史を誇る大矢孝酒造という箱に収まって、
他の蔵にはあまり見られない魅力を持っているように感じました。

最後になりましたがお忙しい中バタバタとした訪問になりご迷惑をおかけしました。
しかしご丁寧にご対応頂きまして、
大矢竣介様、また蔵の皆様、本当にありがとうございました。

15:54 蔵元訪問記

小江戸鏡山酒造さんに行ってきました

2015/04/28
埼玉川越の復活蔵、小江戸鏡山酒造さんに行ってきました。

蔵の名前に「小江戸」とついているように、元々城下町として大変栄えた地域に小江戸鏡山酒造さんはあります。
今も歴史のある街並みを残した観光地として年間600万人以上の人が来るそうです。
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残念ながら生憎の雨でした。
晴れていたらもっとゆっくり見たいところでした。


小江戸鏡山酒造さんはこのメイン通りから一つ中に入った通りにあります。
元々は別の場所に蔵があったのですが、再開する際に現在の場所に移ったそうです。
蔵には小売店もあり、その外観がこちらです。
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建物も新しく建てられた蔵なので綺麗な建物です。

しかしよく見ると醤油の文字もちらほら・・・。
実は再開するに当たって良い水の使える場所を探していたところ、醤油蔵さんが敷地を提供してくれたという経緯があるそうです。
そのため蔵のすぐ隣では当然醤油を造っており、醤油蔵と一体になっている様な見た目でした。
もちろん菌の関係から建物は完全に独立しており、管理も気を使っておりました。
他にもガラス工房などもあり、蔵見学もしてるようですので近くに行かれたらフラリと寄って楽しい蔵だと思います。


今回蔵を案内して頂いたのは営業部長の五十嵐昭洋さんです。
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新しく再開した蔵のため蔵人さん達も若く、平均年齢は30代前半とのことです。
蔵全体に若い活気があふれる様に感じ、五十嵐さんも気さくにお話をしてくださいました。

そして蔵自体は非常にコンパクトにまとまっています。
右手に倉庫や麹室などがありもう少し広いですが、これが蔵のほぼ全景です。
広さ的には弊店の店舗の二倍くらいでしょうか?
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「ウチより小さい蔵とか無いんじゃないですか(笑)」とは五十嵐さんのお言葉

タンクは何と小仕込みのタンクが6本のみ、これで全部だそうです。
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そんな環境のため一度の仕込で造れる量は少なくなってしまうそうです。
全体の生産量としては400石程だそうですが、何度も仕込むことになるため9月頃から6月くらいまで酒造りをするそうです。
お伺いしたのは4月の中頃でしたが、この日も仕込みをしていました。
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ちょうど米が蒸しあがったタイミングでした。
放冷気という機械でお米を冷ます作業です。
この日仕込んでいたのは40%の山田錦純米大吟醸とのことでした。

一度に仕込む量が少なく長期間の造りとなりますが、代わりに一つ一つの造りを丁寧に見れるというメリットもあります。
特に小江戸鏡山酒造さんの仕込みの量は他の酒蔵と比べても大変少ない量です。
純米大吟醸などの一部の特別な酒でしかやらないような仕込み量で全てのお酒を造っています。
全てのお酒をここまで手をかけて造る蔵はまず無いと思います。
また「彩のみのり」、「さけ武蔵」など地元の米を積極的に使い川越ならではの、そして自分たちならではの酒を造りたいという思いも強くありました。


観光地にあり、行って楽しい見て楽しい蔵でもあります。
しかしそれだけではなくしっかりと酒を造る若い情熱を感じる蔵でもありました。
川越に行かれる時がありましたら是非立ち寄ってみられるのをオススメします。

最後になりましたがお忙しい中お時間割いて頂いた五十嵐様、蔵の皆様ありがとうございました。
19:54 蔵元訪問記

森島酒造さんに行ってきました

2015/04/25
入荷直後から大好評を頂いてます茨城県日立市の酒「大観」の蔵元、森島酒造さんに行ってきました。

森島酒造さんは歩いて30秒もすれば太平洋に出るくらい海のそばに蔵があり、住宅が立ち並ぶ中に蔵があります。
元々水が良く、米がよく取れる地域であったのが森島酒造さんが出来た経緯だそうです。
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今回蔵をご案内頂いたのは専務で杜氏である森嶋正一郎さんです。
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9年ほど前の31歳の時に南部杜氏の資格を取得されたそうです。
どうすれば良い酒が出来るか、手に取って美味しいと思ってもらえる酒が出来るか、そのことを非常に考えられている姿勢が強く感じられる方でした。
森嶋専務が酒造りの世界に入られた時、酒類の小売り免許が緩和され様々な所で酒が売られるようになっていた時期で商品も問屋経由で出していたそうです。
そのままの酒造りでは価格競争に巻き込まれ、蔵を続けていけるかという不安があった中で品質の良い酒を造る方向に舵を取り現在の大観というお酒が出来あがったそうです。


品質の良い酒というのは
1、その酒の品質
2、ラベル等の見た目
3、価格
4、蔵の姿勢

この4点が優れている酒だと考えておられ、お話を伺う中で非常に納得出来るものでした。
特に4番の蔵の姿勢というものは強く感じられ、大分で上手く販売できているか、お客様からの反応はどうかといった商品としての出来をより高めたいという思い、より良い酒を造るための積極的な蔵の設備投資など、良い酒を造りたいという強い気持ちがひしひしと感じられました。


2011年の震災で浸水こそ大きな被害は無かったそうですが、戦後すぐに建てられたという建物は大きな被害があったそうです。
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角の緑色の鉄骨は補強のために建物の内と外から取り付けられているもので、壁の白くなっている所は全てヒビが入り補強した個所だそうです。
この他にも蔵の至る所で補強や立て直した個所などが見られました。


震災のあった頃は良い酒を造るために蔵としても大きく動きたい頃であったそうです。
震災で大きな被害も出ているのに酒造りなどして良いのか、また良い酒をつくるための設備投資をしたいのに建物の修繕に資金を使わざるを得ないなどの葛藤や苦悩もあったそうです。

しかしそんなご苦労の中、今年の造りの前には麹室や酒の搾りの機械を新しくされるなど良い酒を造るために大きく手を入れられておりました。
その甲斐もあってか地元の以前よりお付き合いのある酒屋さんに昨年の酒より今年の酒は更に良くなったとお褒めの言葉も頂けていたそうです。

新しくなった麹室
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熱膨張に強いベニヤ板を貼り、断熱性に優れた造りの室だそうです。


新しくなった搾り機
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なんとこの搾り機がある部屋全体が冷蔵庫になっており、冷蔵の環境で搾りが出来るという凄い設備です。
正直ここまで設備はなかなか見たことが無いです。


手に取って美味しく飲んでもらえる良い酒を造るために、まさに今も手を尽くしている。
そんな思いを強く感じる蔵訪問でした。
来年、再来年はまたより凄い酒を造ってくれるのではという期待を強く持たざるを得ないです。

最後になりましたがお忙しい中お時間を割いて頂きました森嶋専務ありがとうございました。
19:26 蔵元訪問記 | コメント(0)

中島屋酒造場さんに行ってきました

2015/02/02
山陽新幹線の停車駅であるJR徳山駅、そこから九州方面へ一駅行ったところがこの新南陽駅です。
駅

今回訪問しました中島屋酒造場さんはこの新南陽駅から歩いて15~20分ほどの所にありました。
中島屋酒造場さんがあるのはこちらの通り沿いでした。
メインと裏通り
少しわかりにくいですが、左にはこの通りと沿って今のメイン通りがあり、こちらは旧通りとなるそうです。
古くは山に続く街道であったそうです。


この通りを歩くことしばし、中島屋酒造場さんが見えてきました。
建物にはファンには見慣れたカネナカのマークも見えます。
中島屋外観


お忙しい中ご対応下さったのは息子さんの中村信博さん。
左のいい笑顔をされてる方ですね。
中村信博
社長や奥さまともご挨拶をさせて頂きましたが、ご多忙の時期でもあり少しお話させて頂く程度になりました。

建物の外観からして非常に歴史を感じさせる蔵元ですが、創業からもう200年近くなるそうです。
しかし元々造っている銘柄は「寿(ことぶき)」というお酒であり、
弊店でもお馴染の「中島屋」は現在の社長の代になってから造り始めた銘柄だそうです。
また生酛造りの「カネナカ」はここ15年ほどから造り始めたそうです。

そういった蔵の生い立ちや蔵を取り巻く環境などを教えて頂いた後、蔵を拝見させていただきました。
まず向かったのは自前の精米機
精米機
精米機は場所を取るため自前の精米機を持っていない蔵元もよくあります。
年代物のボロだと仰られていましたが、羨ましがる蔵元も多いのではないでしょうか?

続いて蔵の中を案内して頂きました。
蔵の中も長い歴史を感じさせるものでした。
窯
米を蒸すための大釜や

甑
蒸し器である甑(これは残念ながらもう少しでお役御免になるそうです)

天窓
上を見上げれば蔵元らしい高い屋根と立派な梁に冷気を取り入れる天窓も

麹室
もちろん麹室も非常に使い込まれた風情がありました。



中島屋酒造場さんの現在の造りは180石ほどとのことで、
中島屋やカネナカは100石も無い程度の生産量と仰られていました。
また昔から地元に愛されている蔵元でもあり、現在でも取引の多くは山口県内だそうです。

まだ山口県外には余り出ていない知る人ぞ知る、といった酒なのかもしれません。
しかし弊店でも「中島屋」、「カネナカ」は着々とかなりの勢いでファンを増やしているお酒でもあります。
この山口県の隠れた(?)銘酒をまだ呑まれた事のない方は是非一度この機会にお手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
地元で愛される蔵元の確かな味わいが詰まったお酒です。

最後になりましたがお忙しい中にも関わらずご対応下さった中島屋酒造場の皆様、ありがとうございました。
19:55 蔵元訪問記

都美人酒造さんに行ってきました

2015/01/31
兵庫県の淡路島にある都美人酒造さんに訪問してきました。

淡路島は電車が走っていないので、バスで向かいました。
蔵元最寄りのバス停を降りてすぐ目に入ってきたのは
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都美人の名前入りのベンチでした。
地元の酒という感じです。


蔵元にお迎えを頂いて、淡路島の話を聞かせてもらいながら蔵元に向かいましたが
タマネギ
玉ねぎ!

タマネギ2
玉ねぎ!!

レタス
レタスも結構ありました。
淡路島は平野が広がり二毛作三毛作が盛んという事で、今の時期は名産の玉ねぎ畑が広がっていました。


そんな玉ねぎ(とレタス)畑が広がっている中を少し走った先に都美人酒造さんはありました。(この看板、実は瓦で出来ているそうです)
看板


蔵では杜氏の山内邦弘さんが案内してくれました。
右の爽やかな人ですよ。
杜氏


農口尚彦杜氏という酒造りの世界では伝説的な人の下で修業を積んだ能登杜氏の方です。
都美人酒造には7年ほど前に先代の杜氏が引退された後に代わって入ってこられたそうです。
「しっかりと山廃造りを出来る杜氏を」という蔵元の求めに応える酒造りをされています。
「酒造りはまず酒母造りが肝」とおっしゃられ、そのための麹造りには特に並々ならぬこだわりが見られました。

麹室
一見、冷蔵コンテナ倉庫?と思わせて実は麹室です。
なんと麹の状態に合わせて三段階に部屋を変える、五部屋に分かれた麹室だそうです。

麹室3
中に入るとこのような部屋になっており、奥に見える扉で隣の部屋と行き来できるようになっています。
他にも様々な工夫を施されたこの麹室は、地元の様々な業者さん等と話し合って作り上げたオーダーメイドだそうです。


また都美人の大きな特徴がこちらの搾り機、天秤搾りです。
天秤しぼり

奥に見える茶色い槽に酒袋に入った醪を並べて、その上に搾るための重石を被せます。
そして上にある天秤棒に重りを吊って、テコの原理で搾るという大掛かりな搾りです。

天秤しぼり2
天秤棒は横から見るとこんなでっかい丸太です。
1000キロ程にもなる重りを吊るそうですので、天秤棒はこんな立派な丸太になるようです。
非常に手間暇かかる搾りなので搾る時期も決まっており、残念ながら伺った時には実際搾る所は見られませんでしたが、
この搾り機自体だけでも見る価値有りというくらいのものでした。

一通り蔵を見学させて頂いた後は都美人の久田浩嗣社長を交え色々とお話を頂きました。
蔵の成り立ちや蔵を取り囲む淡路島の環境、はたまたちょっとした裏話等々。
大変貴重なお話を頂きありがとうございました。
社長

お忙しい中ご対応をしてくださった都美人酒造の皆様、大変お世話になりました。
ご来店頂いたお客様に今回の蔵訪問のお話をさせて頂きたいと思います。
この記事をご覧の皆様も、是非ご来店頂いて「都美人の話を聞かせて!」とおっしゃってください。
蔵を見たならではの面白いお話が出来ると思います。
お待ちいたしております。
19:14 蔵元訪問記
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